【作曲入門】③作曲環境の作り方(実践編)

環境構築

 前回の記事では、作曲環境の理念に偏った内容になってしまいました。つまり、実際にどうすれば作曲環境が整うのか、と言う点にあまり触れていないことに気がつきました。そこで今回は、前回の続編として、実際にどうすればより理想的な環境ができるかについて書き加えていきます。

作曲をする部屋

なるべく高い場所にする事

 脳科学の分野でこの頃、明らかになったことに、創作に携わるひとの部屋にある共通の傾向が見られたそうです。それは、創作に使う部屋は、なるべく高い場所のほうがよいということです。2階建ての家ならば、なるべく2階か、屋根裏などのロフト、ともかく、なるべく高いほうがいいらしいです。もしも高層マンションや団地に住んでいれば、さらによいらしいです。美術の制作をしているプロダクションが平屋の広いガレージで共同作業しているのをたまに見ますが、あれは制作であって、発想を得るための創作ではないので当てはまりません。

 昔のクラシックの作曲家や貧乏画家など、小汚いパリのアパートの2階で創作していたという例をよく目にするので、偶然の一致とばかりは言えない気がします。しかし、音楽家の場合はピアノという重量物があるので、簡単に2階に移動するわけにもいきません。私も1階にあるピアノで何年間か作曲したことがありましたが、生ピアノの割りに作曲が苦しかったのを覚えています。2階のキーボードで作曲するようになってからは、それほど苦しい感じはしないので、なんらかの助けが得られているような気がします。インスピレイションの観点からも高いほうが得やすいのかもしれません。

部屋を聖域化する

 部屋を聖域化というと、私などは、フィギュアとかアイドルの写真を張り巡らしたオタク部屋を連想してしまいますが、すこし意味が違って、脳科学で言うところの聖域とは、

  • いちどにひとつの作業をする部屋
  • 毎回同じ事をする部屋
  • あるひとつのこと意外をしない部屋

と言う意味になるらしいです。ビジネス系ユーチューバーの話を聞いても、成功者には聖域を持っていると言う共通点があった、といっている人が多いです。音楽を作ると言っても大雑把に、作曲と制作(編曲)に分けられると思うので、作曲の部屋または机と、制作の部屋または机を分けたほうがいいような気がします。部屋がひとつしか使えない場合でも、机を分けるだけで、だいぶ違ってくると思います。

ICレコーダー

 ICレコーダーには作曲をするのに便利な機能が多いので、メロディーが浮かぶ方はとくにあったほうがよいと思います。浮かんだメロディーをPCに直接録音して作曲する方も多いと思いますが、とくにICレコーダーの優れている点をあげると、

  • PCに比べて起動が早い。
  • 持ち運びができる。
  • PCにつないでバックアップできる。

というように多くの利点を持っています。ICレコーダーの中には、表示が大きいものなど、直接PCにつなげられない物もたまにあるので注意が必要です。そういった機種だと一発バックアップができないので不便になってしまいます。

最低限のパソコン環境

 もしもメロディーが浮かび、それをICレコーダーに録音できたら、次に必要なのが、パソコンでメロディーを展開することです。それには、やはり、最低限のパソコン環境が必要になってきます。必要なものをざっとあげると、

  • 最低スペックのパソコン
  • 古いDAW
  • 安物のマイク
  • 安いオーディオインターフェイス
  • 安いMIDIキーボード

ということになり、考えてみると、いまDTMをやっている人が10年前とか、昔使っていたシステムをそっくりそのままもらってくればいいような気がします。古いパソコンを処分するのにも金がかかるらしいので、場合によっては感謝されるかもしれません。すこしでもパソコンに詳しい人なら、どれもタダ同然でそろえられる程度のものですが、詳しくなければ、これでも、キツイのかもしれません。その場合は、パソコンに詳しい知り合いにたよれば、その方のお下がりをもらうとか、すぐに解決してくれそうな気がします。

 運よく、もらえそうな人が見つかったときにさらに欲を言えばということで、少し書き加えますが、欲を言えばということなので、ここまででもキツイ人は無視してください。

  • オーディオインターフェイスは、96kh対応のもの。
  • DAWのデータが、現行のものと互換性があること。

96kh対応は、後から編曲、ミックスなどをするときには、96khでの制作環境が必要になるので、96khに対応していれば、頭からしまいまでのベタ貼りトラックに書き出して切り抜けられるからです。DAWの互換性は私がこの頃、おススメしていた無料のDAW「Cakewalk by BandLab」をメインにするなら、「SONAR」の古いバージョンなどを探すと解決できます。この項目はなにをいっているかわからない人もいるかと思いますが、とにかく、作曲を始めるのが肝心なので無視してください。あくまで、欲を言えばということです。

最低限のコードワーク

 パソコンにメロディーを録音できるようになったとして、メロディーだけで、曲の最後まで作りきれるひとは、そんなにいないのではないかと思います。そこで、最低限のコードの知識か演奏力があれば、曲の最後までいくことはそんなに難しくなくなります。曲のつなぎを考えるときにも、前のコードをもとに考えることも多いので、コードが弾けるか弾けないかで、曲の作りやすさがだいぶ違ってくると思います。うまく弾けるようになる必要はないと思うので、なんとかコードを探せるくらいになるといいと思います。

 ギターを弾ける方は歌と同じようにマイクに向かって録音すればいいのですが、作曲と言う点に関していえば、ピアノ、キーボード系のほうが楽かもしれません。たとえば、コードのつながり上、分数コードがふさわしい場合、それをギターで考えるのは、かなりうまい人に限られるようなきがします。その点、鍵盤系なら、コードを捜すくらいなら、私のようにそうとうのアホでもなんとかなります。ふだんギターで作曲している方も、キーボードでの最低限のコードワークになれると、曲が作りやすくなるかもしれません。

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